脊柱管狭窄症について

 

ヘルニアと並ぶ二大腰痛で、脊柱管（馬尾神経を包む管）の後方を構成する 関節や靭帯は加齢により変性、肥厚します。また前方を構成する椎間板も突出

してきます。この結果、脊柱管に収められている馬尾神経や神経根（坐骨神経の根元）

が慢性的に圧迫を受けて、腰椎下部や下肢に痛みがでてきます。

椎間板ヘルニアとともに腰痛の二大疾病の一つですが、ヘルニアと異なり、加齢と

ともに症状を訴える人が増加し、症状も進行する傾向があります。

この病気には脊柱管の中心部で圧迫を受ける「中心型」（馬尾型）と、脊柱管の

外側で圧迫を受ける「外側型」、一本一本の神経が出て行く椎間孔というトンネル

で圧迫を受ける「椎間孔型」の三タイプがあります（後者二つは神経根型）。

典型的な症状は、歩行とともに脚のこわばり、痺れ、脱力が出現します。

歩けなくなるほどですが、しばらく休むとまた歩けるようになります。

背筋を伸ばし歩けなくなっても自転車ならいくらでもこげるという特徴があり、

排尿、排便障害を伴う場合もあります。

「外側型」や「椎間孔型」では片方の脚に同じような症状が現れます。

病院での初期治療は、姿勢や日常生活の指導、及び痛み止め薬を処方します。

温熱療法や運動療法、コルセット、神経ブロック注射も当初は有効ですが、

加齢とともに症状は悪化してきます。多くの方が腰の後ろから、圧迫を取る

手術を行うことになります。

「間欠は行」が特徴的症状
・三大兆候（腰痛、下肢痛、間欠は行）。
・中高年に多い。腰椎下部に多く見られる。
・腰を反らすと痛みが悪化し、前屈みになったり椅子に座ると軽快する。
・歩いたり立ったりしなければ、無症状のことが多い。しかし神経が変性

するといつも痺れている。

どんな病気

脊柱管狭窄症は、神経を通す空間（脊柱管）が狭くなり、神経を圧迫することで

起こる病気です。腰痛の他に、「歩いたり立ったりしている時に、痛みや痺れが

生じる」という特徴的な症状が現れる病気です。

どのような人に多いか

脊柱管狭窄症のほとんどは、弱くなった脊椎骨が原因で、中高年から、一般的に

お年寄りに多く見られます。

特に、若いころから腰に負担が掛かる職業に携わってきた人や、逆にあまり

筋肉を使わずにいた人がなりやすい傾向があります。

症状

脊柱管狭窄症には、「腰、お尻から膝にかけて、体の後ろ側に痛みや痺れが

ある」という症状や、「しばらく立っていたり歩いていると、脚に鉛が入ったように

重だるくなり、時には痛くなる」という特徴的な症状があります。

歩くうちに症状が強くなり、脚が前に出せず、動けなくなりますが、

しゃがんで少し休むと、症状が軽くなってまた歩けるようになります（間欠は行）

どのようにして起こるのか

椎間板が弱くなって薄くなると、椎骨同士が直接ぶつかり合い変形します。

背骨（脊柱）の中央には、神経を通す脊柱管と呼ばれる空間がありますが、

変形した椎骨は脊柱管の方へ突出して、中に入っている神経を圧迫します。

そのため、痛みや痺れなどの症状が起こるのです。

なぜ「間歇跛行」が起きるのか

脊柱管には神経と血管が通っていて神経はこの血管の血液によって酸素と栄養を

供給されています。この神経は脚の運動をつかさどっているため、脊柱管が

狭くなって神経と血管が圧迫されると、十分な血液が神経に送られなくなり、

「脚の痺れや重さ」という症状が現れます。

歩く時には、腰（骨盤）のひねりが必要です。しかし、脊柱管が狭くなっていると、

腰（骨盤）をひねった時に神経や血管が圧迫されてしまいます。

他にも、お年寄りに多い反り過ぎの姿勢は、神経と血管を圧迫します。

しゃがむなどして体を前屈みにすると、脊柱管への圧迫は緩みます。

そのため、しばらく休むと血液の流れや神経の働きが元の状態に戻り、

また歩くことができるようになるのです。